福祉の現場で働く人たち・実録編(9)

このシリーズでは過去に取り上げた職種や、関連する職種の中から一つの職種をピックアップし、実際にどのように働いているかを実録形式でご紹介していきます。

※過去記事

福祉の現場で働く人たち

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今回は、実は意外なところでお世話になっているかもしれない「アレ」を作っている方をご紹介します。

 

 

登場人物のプロフィール

義肢装具士のイメージイラスト。ライオン。

 

 

現在の勤務先:義肢装具製作所

職種:義肢装具士(理学療法士の資格あり)

経歴:理学療法士3年→義肢装具士養成課程のある学校に進学→卒業後、現在勤めている会社に就職して8年

 

 

義肢装具士の資格を取るには、大学や専門学校などの義肢装具士養成課程を経て国家試験を受験する、という流れが一般的ですが、義肢装具士養成課程がある学校は全国的にとても少ないです。

北海道には義肢装具士養成課程を持つ学校が2校ありましたが、2025年2月現在、学生の募集はしていません。

現時点で北海道在住の方が資格を取ろうと思ったら、必然的に道外の学校へ進学することになります。

 

現在の勤務体系

8:30~18:00

月8~10日休みで、曜日は決まっていません

 

1日の流れ

仕事のメインとなるのは、病院への営業(外勤)と社内作業場での義肢装具の制作です。

営業と制作を完全に分業している会社もありますが、弊社の社員はどちらもやります。

(もう少し正確に言うと、営業だけ行う社員はいますが、制作だけ行う社員はいません)

ここでは、外勤の日のスケジュールと作業場で過ごす日のスケジュールをご紹介します。

外勤の日

8:00 出勤、仕事の準備

8:30 朝のミーティング

9:00~ 外勤

「営業」といっても物やサービスを売る……という感じではなく、提携先の病院で義肢装具を必要とする患者さんと顔合わせをし、医師の処方を元にして採寸や成型、フィッティングを行います。

整形外科やリハビリに力を入れている病院ですと、病棟の一角に「義肢装具室」「装具室」などと呼ばれる部屋があり、そこに待機して患者さんと医師が来るのを待ちます。

○曜日の午前中はA病院、○曜日は何時から何時までB病院、毎月2週目の○曜日はC病院……といったように、ほとんどの場合は行く曜日と時間帯が決まっているので、

新たに制作を希望する入院患者さんはもちろん、現在義肢装具を使用していて、メンテナンスが必要になった外来患者さんもその時間帯めがけて病院に来ます。

なので、義肢装具室で誰も来なくて待ちぼうけ……ということはほぼありません。

専用の部屋がない場合はリハビリ室や病室に直接伺って患者さんと医師と話をします。

リハビリの過程で必要になる装具も多く、部屋があってもなくても理学療法士が同席することがほとんどです。

余談ですが、私は理学療法士養成校在学中、実習先で出会った義肢装具士の仕事内容に魅力を感じつつも、数カ月後に国試を控えておりこの先の進路について相談したところ

「理学療法士の経験を積んでからでも全然遅くないよ」

と指導教官や義肢装具士さんにアドバイスを受け、現在の職歴に至ります。

16:30 帰社

お伺いした患者さんのデータはその日のうちに整理し、作業がスムーズにできるようにしておきます。

18:00 退勤

 

作業場の日

8:00 出勤、仕事の準備

8:30 朝のミーティング

9:00~ 午前の作業開始

 

「義肢」と「装具」の違いについて。

・事故や病気などが原因で身体の一部を失った方が使う義足、義手、義指などが「義肢」

・事故や病気などが原因で身体の機能の一部を失ったり低下した方が、その機能を補うために使うコルセットやサポーターなどが「装具」

と呼ばれます。

どちらも装着時に患者さんの負担が軽くなるように作成することが求められます。

 

義肢の一例。左腕の二の腕下半分より下が義手。肘関節があり、先端は物がつかみやすいようはさみ状になっている。装具の一例。短下肢装具と呼ばれる。

12:30~13:30 昼休憩

13:30~ 午後の作業開始

「義肢や装具って完全オーダーメードなんでしょ?」

と聞かれることがよくありますが、必ずしもそうではありません。

例えば義足の場合、体と直接接する箇所(ソケット)は採寸したデータを元に型を取りますが、それ以外のパーツは既製品を組み合わせて作成することが多いです。

また、自治体から支給を受けられるのは、医師の指示で治療のために作成、購入した義肢装具に限定されます。

パラリンピックなどで見かける競技用の義足や義手は全額自費です。

17:00 作業終了、その日の作業まとめ

18:00 退勤

 

 

これが1日の仕事の流れです。

日常で目にする機会は、特に装具についてはたぶん皆さんが思っているよりもずっと多いように感じていますが、

「ああ、これが装具なんだな」

と認識できることはそうないのかもしれません。

医療従事者以外の方に名刺を渡しても「……どんなお仕事ですか?」と聞かれますし、

患者さんと話していても「自分が必要になって初めてこういう仕事があることを知った」という方がほとんどです。

比較的新しい国家資格であることに加え、全国に5000人ほどしかいないそうなので、ニッチな職種だという自覚はありますよ(笑)

表に出る仕事ではないので、仕事の魅力を積極的に外に発信していく……ということは、あえてやっていかないとなかなか難しいと感じます。

 

お時間のある方はこちらもどうぞ↓
過去のお知らせ記事一覧(1)
過去のお知らせ記事一覧(2)

 

 

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