福祉の現場で働く人たち（２）

福祉の現場では、いろいろな職種の人たちがチームを組んで働いています。
どんな職種の人たちが現場で働いているかご存じですか？
前回は国家資格が必要な福祉系の職種と資格取得についてお話ししましたが、今回は研修などを受けると得られる資格をご紹介します。
（研修受講の条件として実務経験が必要な資格もいくつかありますので、詳しくは記事をご覧ください）

訪問介護員（ホームヘルパー）

主に訪問介護の現場で利用者の身体介助や生活援助に携わります。
介護職員初任者研修課程の修了が資格取得の条件です。研修の受講資格は特にありません。
また、2012年（平成24年）度まで実施されていた
「訪問介護員養成研修課程１級、２級」（ホームヘルパー１級、２級と呼ばれているものです）
「介護職員基礎研修」
の修了者も、介護職員初任者研修課程修了と同等とみなされ、引き続き訪問介護員として従事することができます。
訪問介護員が介護福祉士の受験資格を得るには、３年以上の実務経験に加えて介護職員実務者研修を修了する必要があります。（前回記事参照）
また、この資格を保有し、相談支援業務や直接支援業務に５年以上就くと、サービス管理責任者の基礎研修を受講できます。

生活援助従事者研修

訪問介護員養成研修課程３級（ホームヘルパー３級）の後継資格として、2018年（平成30年）に創設された資格です。受講資格は特にありません。
訪問介護の現場で炊事、洗濯、掃除などの生活援助を行います。
ただし、この資格だけでは利用者の身体に直接触れる介助はできません。

介護支援専門員（ケアマネージャー）

介護サービスを利用したい方が適切なサービスを受けられるよう、ケアプランの立案や関係機関との調整を行います。
主な職場は居宅介護支援事業所や介護保険施設等です。
一定期間（※）保健・医療・福祉の分野で相談支援業務に従事した実務経験者が、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、かつ介護支援専門員実務研修課程を修了することで専門員として登録できます。
資格は更新制で、資格を維持するには５年ごとに更新研修の受講が必要です。（研修時間・内容は、実務経験の有無によって異なります）

相談支援専門員

障害者が地域で安心して自立生活が送れるよう、障害者本人やご家族の困りごとや悩みを聞き、適切な障害福祉サービスにつなげる仕事です。
障害者本人やご家族の相談窓口である各自治体の基幹相談支援センターや、障害福祉サービスを提供する事業所が主な職場です。
３年～10年の実務経験（実務の内容や保有する資格によって年数は異なります）の要件を満たし、相談支援事業者初任者研修を受講・修了すると資格を取得できます。
資格は更新制で、資格を維持するには５年ごとに現任研修の受講が必要です。
５年以上の実務経験でサービス管理責任者の基礎研修を受講できます。

社会福祉主事任用資格

社会福祉主事は、主に都道府県や市町村の福祉事務所でケースワーカーとして働いています。
「社会福祉主事」は職種の名前にあたり、「任用資格」とは公務員が特定の職種や職位に就くときに必要な資格のことです。
そのため、民間の会社で同じような業種に就いても「社会福祉主事」とは呼びません。
任用資格を取得して地方公務員試験に合格し、自治体の福祉事務所に配属されて初めて「社会福祉主事」を名乗ることができます。
社会福祉主事任用資格を取得するには以下のようなルートがあります。
（参照：社会福祉主事任用資格の取得方法ー厚生労働省）

１．大学、短大において、厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を３科目以上修めて卒業する
２．厚生労働大臣の指定する養成機関、または都道府県が実施する講習会の課程を修了する
３．全国社会福祉協議会が経営する中央福祉学院の社会福祉主事資格認定通信課程、または日本社会事業大学の通信教育課程を修了する
４．社会福祉士、精神保健福祉士の資格を取得する（前回記事参照）

この資格を保有し、相談支援業務や直接支援業務に５年以上就くと、サービス管理責任者の基礎研修を受講できます。

お時間のある方はこちらもどうぞ↓
過去のお知らせ記事一覧（１）
過去のお知らせ記事一覧（２）