福祉の現場で働く人たち・実録編（６）

訪問看護師は主治医が作成した「訪問看護指示書」に基づき、利用者さんのお宅で以下の業務を行います。

・バイタル（血圧、体温、脈拍、呼吸）のチェック

・問診

（※上記の二つはどの利用者さんにも毎回行います）

・リハビリ

・入浴や排泄の介助

・投薬、服薬の管理

・栄養管理や食事の指導

・口腔ケア（ご家族が行う場合はレクチャーやアドバイス）

・褥瘡（床ずれ）予防、ケア

・日常生活について、利用者さんやご家族へのアドバイスや精神的なサポート

・ターミナルケア（終末期看護）

・看取りとその後のケア

……などなど、訪問看護の仕事は多岐に渡ります。

午前は１～２軒、午後は２～３軒、１日の訪問箇所は大体３、４軒になることが多いです。

１カ所あたりの作業時間は30分から１時間半。これは事業所によって異なります。

夜間対応担当の時は緊急連絡用のスマホを持って帰宅します。

※夜間対応とは

当事業所は24時間対応をしているので、この日の夜間対応の担当者１人が通常業務終了後から翌日の通常業務開始（翌日の出勤時）まで、緊急連絡用のスマホを持って自宅で待機します。

通常業務終了後に事業所にかかってきた電話はこちらのスマホに転送され、対応が必要になった場合は事業所に行って物品やカルテを準備し、利用者さんのお宅へ向かいます。

フルタイム勤務の社員さんが持ち回りで行います。パートさんと時短勤務の社員さんはやりません。

以上が１日の仕事の流れです。

診療科を問わずいろんなことができないと大変なので、私が訪問看護の世界に入った頃はある程度病院で経験を積んでから参入してきた方が多かったのですが、

最近は学校の実習でも訪問看護のカリキュラムをしっかり行うからか、看護師の就職先の一つとして認知されてきたようで、

学校を卒業してまもなく訪問看護に入ってくる方もちらほら見かけるようになりました。

長年訪問看護に携わっている者としては、仕事に魅力を感じて入ってくる新人さんの存在はうれしく、また頼もしい限りです。

こういう方たちがゆくゆくはスペシャリストとして活躍していくのでしょうね。