利用者と介助者の「距離感」を、少しマジメに考えてみる。

先日、サブスポットのとある動画のコメント欄で、ちょっとした議論が巻き起こりました。

ヘルパーがやってはいけない事〜買い物編〜

ヘルパーがやってはいけない事〜買い物編〜

 

実は、動画の内容そのものについてのコメントよりも、

「介助者は利用者の目線に合わせるのが基本」

「介助者が見下ろしているのが気になる」

など、主に介助者の目線や立ち位置についての言及が多く見られました。

 

・TikTokは「縦長の画面に収める必要がある」という事情からあのようなアングルで撮影せざるをえない

・「ヘルパーがやってはいけないこと」というタイトルでシリーズ動画を作っているが、「やってはいけないこと」の定義自体が法的に定められているものではなく非常にあいまいで、各事業所や現場の裁量に委ねられている部分が多い

ということは踏まえつつも、そこはいったん脇に置いて話を進めていきますが、

多くの事業所では、研修の時にやはり上記のようなことを言われることが多いそうです。

そういう研修を受けた人から見れば、確かに動画の介助者の立ち位置は違和感として映るでしょう。

そういう意見が比較的多数であることを踏まえて、今回は

「身体介護における、利用者と介助者の距離感」

について考えたいと思います。

 

身体介護と「パーソナルスペース」

「パーソナルスペース」という考え方があります。

いわゆる「縄張り」で、他人に侵入されると不快感を覚える空間、範囲のことを言います。

パーソナルスペースが

「狭い」=人との距離感が近い(社交的、誰とでもすぐに仲良くなれる)

「広い」=人との距離感が遠い(内向的、一人でいることを好む)

ということができます。

個人差や環境によって大きく変わりますが、親しい人であればおおむね1メートルくらいが不快感を覚えない距離といえます。

他人が勝手にパーソナルスペースに侵入する、あるいは侵入しようとすると警戒心が生まれますが、

特に身体介護の場合、利用者・介助者双方のパーソナルスペースに干渉し合うことは避けられません。

時に家族や友人、パートナーとの距離感よりもずっと近いところで接することも多いです。

 

介助行為が無自覚にパーソナルスペースを「侵食」する可能性

利用者の立場から言うと、介助者に対して「この行動はちょっと……」と感じることはあります。

それは作業の得手不得手や介助技術の問題ではなく、もっと感覚的なものです。

例えば

・食事介助のとき、利用者の動きを先回りして器や飲み物の位置を変える

・外出援助のとき、買い物中の利用者の視界に常に入ってくる

一見何の問題もない行動に思えますが、同意無くされると非常に違和感を覚える介助者の行動の実例です。

食事や買い物というのは、日常生活の中でもとても私的(パーソナル)な行為です。

介助を受けて生活している人にとってもそれは変わりません。

同意もなく踏み越えてきた人に対して「勝手に入ってこないで」となるのは、生き物の防衛本能としては当然の話。

ところがマニュアルに忠実にやろうとするあまり、無自覚に利用者のパーソナルスペースに「侵入」してしまう介助者は少なくありません。

極端な例を挙げますが、ベッド上で目が覚めたときに目の前30センチの距離に人の顔があったら「ギャー!!!」ってなりませんか?(笑)

ですが、そこに何の違和感を覚えずに、目の前30センチで利用者の目が覚めるのを待つ介助者もいるのです。

もちろん、利用者が介助者に対して行うことの中にも、介助者のパーソナルスペースを侵す可能性があるものが多くあります。

必要以上に身体の接触を求めたり、介助者の行動を制限したりすることはそれに当てはまるかもしれません。

 

パーソナルスペースを「共有」できる関係性を築く

「侵入」であれば警戒されるのは自然なことです。

では、「共有」だとどうでしょうか?

お互いの意見をもとに「ここまでは大丈夫」「ここを越える場合は改めて確認を」などという合意がなされていれば、

どちらかが一方的にどちらかのパーソナルスペースを侵す、ということはずいぶん少なくなるのではないかと考えます。

実は先ほどの動画のコメントには

「ひざまずかれてまで目線を合わせられるのはかえって不自然に感じる」

という意見も寄せられました。

あの立ち位置が双方にとって自然なものなら、マニュアル通りではなくても「アリ」という考え方ですね。

一般的な事例として挙げるのにはそぐわなくても、シチュエーションによっては十分あり得る話だといえるでしょう。

ミもフタもないことを言ってしまえば「個々の問題」です。

 

時に家族よりも近い距離感で接する利用者と介助者が、お互いの負担感を少なくして接していくには、「どれだけ双方で合意がなされているか」が大きな鍵になるのではないかと思います。

他人のパーソナルスペースに干渉し合って動く以上、違和感が完全に消えるわけではありませんが、

ささいなことでも合意と配慮を積み重ねていった結果が「信頼」につながるのではないでしょうか。

 

今回は「身体介護における利用者と介助者の距離感」について書いてきましたが、

どんな人間関係でも「目の前の相手のあり方を尊重する」ことをベースにしていけば、もう少し優しい社会になるかもしれませんね。

 

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