SDGsの各項目についての紹介、今回はひとつめの「貧困をなくそう」です。
日本に住んでいると、「貧困」という感触がいまいち実感できない、という方も少なくないでしょう。
実際のところ、この項目についてもひとつの目標がいくつかの内容に分かれており、
その中では「絶対的貧困」と「相対的貧困」に分かれている部分もあります。
大雑把な区分けとしては、「絶対的貧困=生活水準が必要最低限でない」「相対的貧困=特定の地域やコミュニティで、大多数よりも貧しい」と分けることが出来るものです。
「絶対的貧困」については、世界的に見たときに
- 一日200円程度(2ドル程度)以下で生活している
- 子どもが就学していない
- 電力の供給や衛生的な上下水道が確保されていない
- ラジオやテレビ、電話などの製品を持っていない
このような人々が対象とされています。実際にはもっと多くの項目がありますが、
日本で暮らしている中で見聞きする「貧困」はこういったものが多いかもしれません。
ニュースや何らかの番組などで見られる「アフリカ圏の貧困」というものも、実際に該当となっており、
2017年時点で全世界人口のうち9%程度、6億~7億人の貧困層のうち、60%以上はサハラより南のアフリカにおける発展途上国に暮らしています。
これが「絶対的貧困」と呼ばれる層で、様々な企業や団体で対処、改善せねばならない内容として含まれています。
一方、「相対的貧困」に関して、こちらは日本でも他人事ではない内容となっています。
服装や持ち物、住んでいる場所からは判別しづらいものの、子どもの貧困率が高くなっており、
- 家計が厳しく、学業よりもアルバイトなどの仕事や家事を優先している
- 食費を切り詰める
- 進学そのものを、金銭的な理由で諦める
こうした状況にある人は日本人のうち、およそ7人に1人が該当すると言われています。
親の世代からこうした状況にある為に、子どもも同じく貧困に悩む事の他にも、事故などの事情で家族を失ったり、
不景気から仕事を失うこと、また災害などで家族や財産を失う、といった内容も「相対的貧困」に含まれており、
これらの内容は前掲した内容も含め、「誰にでも起こり得る」というものです。
また、これらの事情からホームレス生活をしている方も少なくなく、ネットカフェなどに寝泊まりをしている方を含めると、東京都内だけでも一晩に4000人程度という情報もあります。
こういった方々が改めて仕事に就こうとしても、定住の住所が必要だったり、身分証明や連絡先も必要になります。これらの問題もあり、一筋縄ではいかないというのが現状です。
こういった現状から、海外だけでなく日本でも重要な問題になっている「貧困」というカテゴリですが、社会的制度を整えることで解消する、というのが、
SDGsにおける「貧困をなくそう」というものになります。
他人事と思って気にせずに生活していても、ある日突然……という事もありうるのが、今回の内容です。
どういった社会制度が必要なのか、現状で利用出来る制度はどういったものがあるのか、こうした情報を確認したり、発信する事でも、「貧困」を少しでも減らす事が出来るという事を意識しておくと良いかもしれません。
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