2024(令和6)年4月から「事業者による合理的配慮の提供」が義務化されます

2021(令和3)年5月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(以下、障害者差別解消法)が一部改正され、2024(令和6)年4月から施行されます。

この改正により、これまで努力義務だった「事業者による障害のある人(※)への合理的配慮の提供」が義務化されます。

合理的配慮のイメージ画像。本文の内容とは無関係です。

でも、「合理的配慮」って言葉、なんだか漠然としていてよく分からなくないですか?

この記事では、具体例を挙げながら改正法について学んでいきたいと思います。

※「障害のある人」とは、必ずしも障害者手帳を持っている人だけを指すものではありません

 

 

不当な差別的取扱いの禁止

今回の改正障害者差別解消法では、正当な理由なしに

障害のみを理由として、入店や各種サービスの提供を拒否する

・サービスを提供する際、時間帯や場所の制限など、障害のある人以外には付けない条件を付ける

ことは「不当な差別的取扱い」として禁止されます。

 

「前例がない」

「特別扱いはできない」

「もし何かあったら……」

「○○障害の方はちょっと……」

といった理由でサービスの提供を断ったり、制限をかけたりすることができなくなり、一人一人の事例に応じて対策を検討する必要が出てきます。

では実際に、どういった事例が「不当な差別的取扱い」とされるおそれがあるのか、具体例を挙げていきます。

事例引用:障害者差別解消に関する事例データベース

 

「障害のみを理由として、入店や各種サービスの提供を拒否する」にあたるおそれのある事例

・聴覚障害を理由にカルチャーセンターの受講を拒否された

・体調不良で発熱外来を受診したところ、聴覚障害を理由に「同伴者がいないと受診できない」と断られた

・車いす利用者がバスを利用する際、「車いすが固定できない場合は乗車できない」という話だったのに、車いすが固定できるかどうかも確かめずに乗車を断られた

・障害のある子どもが「何かあったら危ないから」という理由で幼稚園の行事への参加を断られた

・バイキングに「摂食障害の方は入店お断り」という張り紙があった

・精神疾患を持つ人が引っ越しを希望して不動産仲介会社に希望の物件について問い合わせたところ、物件の管理会社から「精神障害者の入居は断る」と連絡があった

・オストメイトを利用している人が銭湯を利用した際、オストメイトに気付いた従業員に強制的に退店させられた

※これらの例のほか、「障害の有無によって接客態度を変える(暴言を吐く、無視するなど)」という行為も該当するおそれがあります。

 

「サービスを提供する際、時間帯や場所の制限など、障害のある人以外には付けない条件を付ける」にあたるおそれのある事例

・体調不良で発熱外来を受診したところ、聴覚障害を理由に「同伴者がいないと受診できない」と断られた

・視覚に障害のある人が通院歴のある病院を受診する際、自身の判断能力に問題がないにもかかわらず本人ではなく家族に連絡が行き、付き添いを求められた

・肢体と聴覚に障害のある人が携帯電話の契約に行った際、「障害者は契約書の署名ができないので誰か連れてきなさい」と言われ契約できなかった

※以上の例では、障害があるという理由のみで付き添いを求められた点が「障害のある人以外には付けない条件を付ける」に該当するおそれがあります。

 

「『合理的配慮』の留意事項」について

内閣府作成のリーフレットでは、「『合理的配慮』の留意事項」として以下の3点を挙げています。

事務・事業の目的・内容・機能に照らし

1:必要とされる範囲で本来の業務に付随するものに限られること

2:障害者でない者との比較において同等の機会の提供を受けるためのものであること

3:事務・事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないこと

例えば、レストランで食事介助の申し出があった際、そのお店では食事介助を事業の一環として行っていない場合は

「必要とされる範囲で本来の業務に付随するもの」

に該当しないため、申し出を断っても合理的配慮の提供義務には反しないと考えられます。

 

 

合理的配慮の実例

では実際に、どういった対応が「合理的配慮」にあたるのでしょうか?

先ほどご紹介した「障害者差別解消に関する事例データベース」から具体例を挙げていきます。

 

視覚に障害がある人への対応

・銀行で必要書類の記入が困難な人に対して、個人情報への配慮から別室で行員2人が個別対応。1人が代筆内容を読み上げ、もう1人が本人に確認を取りながら読み上げられた内容を必要書類に記入し、手続きを済ませることができた。

 

聴覚に障害がある人への対応

アクリル板越しにやりとりをしている男女のイラスト

・普段は表情と口の動きで発言内容を把握している人から、「窓口で職員がマスクをしていると表情が読み取れず、意思疎通が難しい」と相談があり、フェースガード着用の提案を受けた。そこで、相談者とのやり取りの際はアクリル板を使用し、マスクを外して対応に当たることにした。この相談をきっかけにしてほかの窓口でもアクリル板を準備し、口話でのやり取りを希望する人には同様の対応を取ることにした。

・講習会に聴覚に障害がある人が参加する際、使用する動画に字幕を付けて対応した。

 

肢体不自由者への対応

・施設内で車いすの動線が確保されていない(通路上に椅子などがあり通行しづらい、最短距離で目的の場所までたどり着けないなど)という意見が寄せられたので、施設内の椅子や作業台のレイアウトを変更し、車いすでもスムーズに移動ができるようにした。

 

内部障害、知的障害、難病に起因する障害などがある人への対応

・知的障害のある人が、普段通所している障害者支援施設に対して「障害の特性から食べられる物に偏りがあり、施設で出される食事を残してしまうことが多いので、障害の特性に合った食事を出してほしい」と相談。施設の職員が本人にヒアリングを行い特性に合った食事を提供したところ、食事を残すことが減った。

 

発達障害がある人への対応

・障害の特性から大勢の人が集まる場所が苦手で、集団予防接種を受けるのが困難であるという問い合わせがあったため、個室に近い接種ブースがある会場を案内した。

・自閉スペクトラム症で読字障害(ディスレクシアと言うこともあります)のある人から、大学入試の際に「問題文の文字サイズを拡大する」「リスニング問題の時にヘッドホンの貸し出しを希望する」などの申し出があった。本人の希望通りに対応し、無事に試験を受けることができた。

 

「合理的配慮」を提供するにあたって事業者に求められること

ゼロから何かを始める際、初めのうちはある程度のマニュアルはあってしかるべきだと思います。

ただ、

「この障害の人にはこうする」

「障害者だからこれをやる」

などといった画一的な対応をしていくのではなく、

「目の前の人の状態を見て、話を聞いて、柔軟に対応をしていく」

という発想が事業者には求められます。

分からないことを考えている3人のイメージ。本文とは無関係です。

「今の状況で発生している問題点を整理する」

「この問題点はどうやったら解決できるか考えて案を出す」

「出てきた案を実践し、検討と改善を繰り返す」

事業者に限らず、一人一人がこれらの思考を身につけていけば、「合理的配慮」という枠を超えて幅広い問題解決の道筋につながり、より生きやすい社会になるのではないでしょうか。

 

 

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